Management support開業直前・開業後の経営支援

開業直前・開業後の
経営支援もおまかせ下さい

ご開業の準備期間はもちろん、弊社の「支援担当者・会計担当者・担当税理士」が、開業直前・開業後の医科・歯科経営を会計事務所の視点から、長期的・安定的経営のパートナーとして、先生をサポートしてまいります。実例をいくつかご紹介します。

開業直前・開業後の経営支援もおまかせ下さい

増患対策

内覧会の実施ポイント

内覧会の実施ポイント

医療における宣伝・公告活動が、公告ガイドラインや医師・歯科医師会の指導等で各種制約を受けるなか、開業時に実施する内覧会(地域の皆さんへの医院のお披露目イベント)は、数少ない集患活動のひとつです。
実施の時期をどうするか、専門業者さんを利用するかどうかは、開業スケジュールや計画予算等で判断は分かれるかと思いますが、ポイントは2つ。

point

  • 予算はともかくとして「実施しましょう」

    医院の開業から、患者さんの数が「経営を維持するための必要人数に至る」まで、相応の期間を要するのが昨今の開業です。
    資金が潤沢で「開業時から公告経費を多額に投下できる」「運転資金を開業後2年分まで確保済み」なら別ですが、集患のセオリーは、まず地域の方に貴院の開業を知ってもらうことです。
    業者さんへの依頼でも、職員さんと周辺業者(もちろん当社も)の手作り内覧会でもOKです。「知ってもらいたい姿」を地域の皆さんに披露しましょう。

  • 業者さんへの依頼は早い時期に

    内覧会のスケジュールは、毎月末近くの土・日曜日に集中します(保険診療開始日が毎月1日に集中することに起因します)。その限られた日程に、内覧会受託業者さんは「契約予約の順番」でスケジュールを埋めていきます。
    さらに、近隣にその業者さんが開業をお手伝いした医院が競合すると、そのエリアでの内覧会支援を行なわない場合もあります。
    業者さんを選定する手順は、「内覧会の実施予定日に、内覧会支援が可能かどうか。」ここがスタートになります。

ホームページの公開

ホームページの公開

医院経営において、ホームページは欠かすことのできない『マーケティングツール』の一つになっています。特に、固定患者の少ない新規開業の医院にとっては、医院を認知してもらう手立てとして、より一層重要度を増しています。
ホームページが集患・増患に効果を発揮するためには、まずは多くの見込患者さんに見てもらうことが前提となります。貴院の名称や所在地・標榜科目等(例えば「新橋 内科」「池袋 歯科」など)、患者さんが検索する際に入力すると考えられるキーワードで検索結果が上位表示されることが大切です。
インターネット上に公開したホームページが、特定の検索結果に反映されるまでには、2週間~長ければ3ヶ月程度の時間が必要となります。ですから一日も早く公開することが必要になるのですが、一方でその公開時期には気配りも必要です。

point

  • 公開時期

    ホームページの公開時期については、二つの考え方があります。ひとつは、折り込み広告・ポスティングに使用されるチラシ・院内リーフレット・職員採用時の求人広告などに、ホームページURLやQRコードを掲載する場合が多いため、ホームページ業者さんと印刷物・公告関連業者さんとの連携により、公開時期を決定するという考え方。
    もうひとつは近隣歯科医院さんの反応や歯科医師会さんへの対応を踏まえ、地域の状況をよく知る医薬品卸さんや医療機器メーカー・ディーラーさんに相談・検討するという考え方です。周辺に気を配りながら、早めの対応を図っていくことが大切です。

  • 業者の選定

    商品としての出来・不出来は先生のお見立てによるところかと思いますが、会計事務所の視点から申し上げますと、ホームページをリースや割賦で販売する業者さんは、避けたほうが無難です。その業者さんの経営が頓挫した場合に「ホームページが閉鎖されたうえ、代金支払いだけが残る」ことになりかねません。
    支払方法として「初期作成費用支払と、ホームページ利用料月払を併用」とする方法が安心です。

新聞折り込み・ポスティング

新聞折り込み・ポスティング

ホームページが、「エリアを限定せず、患者側からアクセス」するツールであるのに対し、新聞折り込みやポスティングは「エリアを限定して、医院側からアクセス」するツールです。
提供した情報が、より多くの人に伝わり手元に残ることが重要ですが、そこに至るため「どのエリアに、どのように配るのか」がポイントになります。新聞折り込みとポスティングに分けて考えます。

point

  • 新聞折り込み

    貴院の所在地を中心とした「来患が見込める地域(診療圏)」を対象に新聞折り込み広告を実施します。公告ガイドラインにより、記載項目やその表現方法に制約があるため、求人チラシの体裁をとりながら配布されることもあります。
    配布エリア(配布先)は、依頼する広告代理店の提携先である、新聞販売店の配達エリア(全国紙・地方紙)の組み合わせで決定し、同時に配布部数が確定します。
    新聞折り込みを利用する場合に必要なのは、「見てほしい方の手元にどれだけ届くか」の判断です。配布エリアの新聞購読者(もしくはそのご家族)が、先生の診療科目の対象であることが、折り込み利用の前提となります。また受療率の低い(広域の集患が必要な)診療科の場合は、ホームページやタウン誌広告など、広域向けの媒体を使用する方が効果的です。

  • ポスティング

    広告物(チラシ・フライヤー)が、戸別に配布されるのがポスティングです。新聞折り込みと異なるのが、「配布エリアを各町丁別・マンション等建物別に設定できること」、「他の公告物と混在しにくいこと」です。一方でマンション等によってはポスティング業者さんの出入りを禁止している場合もありますので、配布したい世帯に配布できないことも想定されます。かかる費用ですが、1件当たりの配付単価で比較した場合、新聞折り込みより若干高くなります。
    戸別に配布される広告物では、日本郵便が扱う配達地域指定郵便物を利用する方法もあります。郵送物のため指定地域への全戸配布が可能ですが、一件あたりの単価がさらに高額になるため費用対効果を十分に検討する必要があります。

地方新聞・タウン誌への寄稿

地方新聞・タウン誌への寄稿

開業する地域によっては、地元で購読者の多い地方新聞やタウン誌、市区町村の広報などがあります。医院や先生の人と成りを広く知ってもらうため、このような紙媒体の地域メディアに、先生の専門である疾患の予防策や、季節の健康維持の留意点など、寄稿の形で掲載します。各誌掲載へのアプローチについては、周辺協力業者さんや、現地の医師・歯科医師会さんの手引きが必要になりますが一部のタウン誌等は、その紙面で掲載募集を行なっています。
当社で開業をお手伝いした先生の中には、これら地域の枠を飛び越え、全国紙夕刊の健康情報欄に寄稿掲載された先生や、マス・メディアの情報番組コメンテーターとして出演された先生もいらっしゃいます。それぞれ先生ご自身がお持ちだった情報や人的ネットワークを使ってのマーケティングでしたが、相応の投下時間とご苦労もあり、その後の大幅な増患のきっかけになりました。

point

  • 寄稿の広告効果

    看板や新聞折込などが、医院を認知してもらうための公告であるのに対し、新聞やタウン誌への寄稿は、その内容から「診療に対する専門性」や「診療方針」などを読者に想起させることで、地域の潜在患者に対して、先生への興味・関心を呼び起こし、自院を選択してもらうまでの「ブランディング広告」と呼べるものです。
    その意味では、宅配の形をとるメディアの中でも、商業広告の要素が強いものより、公共性・中立性の高いメディアの方が、その効果
    は大きくなります、また、そのメディアの購読層と先生の診療科目の患者層か重なることで広告効果は大きくなります。

  • 掲載までの留意点

    地方紙やタウン誌への寄稿については「公共性が高くなるほど・配布エリアが広域になるほど」寄稿の手立てが限られてきます。
    また、寄稿とはいえ「広告枠」で扱っているメディアが多く、掲載に料金が必要なメディアが多数存在します。診療科目によっては、診療圏がメディアの配布エリアの一部にしかならない場合も考えられるため、寄稿を広告として利用する場合は、地域に詳しい開業支援業者から、地域の医療機関がどのような媒体に寄稿しているかを確認した上で利用可否を判断し、掲載メディアを選択します。

公共交通機関・駅施設への広告掲出

公共交通機関・駅施設への広告掲出

どの業種のマーケティングも同じですが、利用者に来てもらうためには、「何をやっている事業所がどこにあるのか」を利用者に認知してもらう必要があります。
医科歯科経営も同様で「どんな診療科の医院が、どこにある」が認知されていなければ、患者さんの来院は見込めません。
その点で、公共交通機関の車中や駅構内は、その沿線や地域の医療機関の広告であふれています。先生方や周辺業者さんが、その広告効果を認める一方で、その掲出費用が果たして効果に見合うものなのか、検討が必要な場合もあります。ここでは交通機関と駅施設での広告について解説します。

point

  • 交通機関の車内広告

    代表的なのが、車内ポスター(窓上・中吊り・ドア横)、窓やドアのステッカー、車内アナウンス(バス)です。
    交通機関・駅施設の広告は「日々の生活動線上にある」「強制視認性が強い」この2点がホームページやチラシ等と異なります。
    生活動線上に広告があることで、通勤・通学される地域の方々が繰り返し広告に接触(反復遡及)することで、認知獲得やメッセージの刷り込みが期待できますし、車内広告は「閉鎖的空間に長時間あり続ける広告」のため、自然と目にする「憶えてしまう広告」になります。バス停近くの医院名アナウンス広告も同様です。
    憶えてもらうための広告ですから、その掲出期間は長期間(1カ月以上の契約)であることが多いのですが、掲出費用が高額であることに加え、その効果についても利用乗客者数や広告掲出場所により異なることから慎重に検討します。診療科で言えば広域で集患が必要な医院に適しています。

  • 駅施設への広告掲出

    駅構内の広告は、「駅利用者の人の流れが集中する場所での広告」であることが必要です。駅構内での流れが集中するのはメイン改札出入口の上部(天吊り)や、各ホームへ移動する際の通り道である跨線通路や地下通路(壁・天吊り)です。
    大型ターミナル駅であれば、他にも駅利用者が滞留するエリアがあるかもしれませんが、滞留エリアは「スマホ利用エリア」でもあり耳目がスマホに集中します。また、駅利用者の大半である通勤通学での利用者は、毎日の乗降場所が決まっています。駅ホームへの広告掲出ですと、一部の同じ利用者しかその広告を見る機会がありません。
    同じ駅の施設内でも、広告に視線が向かう環境かどうかは現地の確認が必要です。
    駅施設での広告掲出の際には、先生ご自身が通常日や休日、時間も分散させながら、現地をご覧になって利用可否をご判断下さい。

野立看板、電柱看板、建物看板

野立看板、電柱看板、建物看板

人が集まりやすい駅周辺と異なり、任意の場所に看板という公告物を設置する作業は、「医院の存在を認知してもらうための看板」と「迷わず医院に来院いただくための看板」の2つの役割に応じてその設置場所や大きさ、記載項目を検討しなくては成りません。
ここでは、その設置場所で看板を分類し、「どのような看板を、どのように配置し、どんな役割をもたせるか」を記載します。

point

  • 野立看板

    設置場所が、視界性の良い道路脇建物の壁や、道路脇に造作された看板専用のスペースなど、その道路の歩行者や通行車両から確認できる大きさで医院名や診療科・医院の場所などを記載した看板が野立看板です。
    設置に関しては、看板作成も同時に請け負う看板専門業者さんがありますので、先生が設置したい場所や目的をその業者さんに情報提供し、看板作成・設置に至るまでの支援を受けます。
    野立看板は「貴院の存在を知って、迷わず来院してもらう」ための看板です。そのためには、歩行者向けなのか通行車両向けなのか、必要な大きさと記載する情報量を確定する必要があります。
    (通行車両向けの場合は可視時間が短いため、文字の大きさが必要です。その分看板は大きく、掲載情報量は少なくなります)野立看板については、開業場所が確定した時点で、開業場所周辺の人通りやその建物(医院)の視界性を確認したうえで、その必要性を検討します。

  • 電柱看板

    電力会社の電柱や、NTTの電信柱などに取り付ける看板を総称して電柱看板と呼んでいます。電柱の脇に張り出す「袖看板」と電柱に巻きつける「巻看板」の2種類があります。道路交通法の定めにより、そのサイズや設置スペースに制限があるため、個々の看板公告としての訴求力は弱く、認知目的よりも医院への案内看板として利用されています。
    掲出方法としては、地域集中・集客施設前集中・道路沿い連続など掲出数や掲出場所に戦略をもって望む必要があります。
    なお、電柱看板を扱う公告代理店業者さんは、医院のパンフレットなど印刷物全般も扱うので、院内印刷物と看板等のデザインをトータルでコーディネートすることが可能です。

  • 建物看板

    医院の建物に設置する看板で、入居テナントビルの袖看板や戸建医院の敷地内設置看板等の総称です。(窓に貼付する院名シール等も含みます)
    何より大切なのは、来院目的で周辺まで来た患者さんに対して「確認しやすい場所に、確認しやすい大きさ」で設置されていることですが、現在このあたりまえのことが出来にくい環境があります。
    他の入居テナントとの協調性と、入居テナントビルの意匠を維持する事を目的に、看板設置や窓シールの貼付を認めないケースです。
    実例として、看板掲出を認めない商業ビルでの医院開設では、外付看板・窓シールが認められなかったため、院内の窓際天井から医院名の自照式文字サインを吊り下げ設置して、院内から外に向けて医院名と場所がわかるようにしました。(某有名カフェと同じです)
    同じ事は、大型小売店舗の店子として入居する医院にも求められるケースがあり、入居交渉時に事前確認しておくことが必要です。

接遇に対する考え方

接遇に対する考え方

あらゆる手立てを尽くして、ようやく患者さんが定着し始めても、貴院の職員さんの、患者さんに接する態度が悪ければ、その評判は「静かにゆっくり」広がって、患者数が伸びない要因になります。
医院経営が地域の患者さんに支えられていることを考えると、院長先生自らが、自院の接遇水準を把握して、向上・維持させることに注力しなければ、増患は望めません。
対策として、院内での接遇研修の実施や、院外研修への職員派遣がありますが、これら研修の効果を貴院全体のものとして定着させるためには、毎日の仕事に関する振り返りが必要です。
個々の患者さんとのやり取りを「この対応で良かったのか?さらに良い対応があるとすればどのような対応か?」週に1回10分でも構わないので、職員さん個々にこの振り返りを求めてください。
「看護者の倫理要綱」など、身近なものを行動の物差しにします。
当社は、医科歯科特化型の会計事務所として、接遇研修や院内観察で貴院の接遇意欲の向上をサポートします。

point

  • 接遇は自院で構築する

    医業経営における接遇の重要性が増すなかで、人材派遣業や職員教育・研修業、求人広告代理店までが、医業向けの接遇研修を提供して
    います。当社もその中の1社ですが、どの研修も「患者さんとは・・」という患者特性の理解からスタートします。
    どの業種によるものでも構いませんので、開業にあたっては接遇研修を是非実施して下さい。そしてその研修を初回として、2回目以降は「自学による接遇」を実践して頂くことをお勧めします。
    患者特性の理解は基礎知識として確かに重要なのですが、「患者さん」からは、患者として一括りにされることへの不満も聞こえてきます。毎日の仕事や患者さんの言動を振り返れば、接遇改善の材料は出てきます。

周辺・地域との連携

周辺・地域との連携

マーケティングや集患・増患活動の中での手法とは異なりますが、医院経営を成功に導く手だてとして大切にしています。
内覧会から看板の設置まで、マーケティングは「発信」を基本にしていますが、本来は患者さんが何を求めて来院しているのか、その「受信」力がないと、成功まで長い時間を要してしまうからです。

弊社が開業をお手伝いして成功されている多くの先生に共通しているのは、開業した地域での親和性や協調性が高いという点です。
地域病院との病診連携、他科目診療所との診診連携はもちろん、同じテナントビルの中での事業主としてのお付き合いや、近隣の商店主さんとの日常会話を通して、医院の周辺・経営環境の変化や、競合医院の情報まで、あらゆる情報をお持ちです。
職員さんとのコミュニケーションも万全で、患者さんの対象となりうる地域のことを全て把握しているようにも聞こえます。
集患・増患のステップは4段階です。このステップを少しでも早く達成していくために、周辺や地域との連携は不可欠です。

point

  • 集患・増患のステップは4段階

    • ①医院を知ってもらうこと(認知)
    • ②医院を詳しく知ってもらうこと(評判)
    • ③来院してもらうこと(経験・安心)
    • ④かかりつけ医となること(評価・紹介)

人事・労務

雇用契約の重要性

雇用契約の重要性

職員さんと貴院との雇用関係の成立は、貴院の開業日に係わらず、開業準備研修に参加する初日となります。その意味で入職誓約書の取り交わしや雇用契約書の締結は、研修開始から日を置かずに行なう必要があります。
弊社の開業支援では、雇用契約書の作成から求人活動、雇用契約書の締結まで継続的・網羅的に先生をサポートします。
ここでは、研修時に職員さんと取り交わす約束事(入職誓約書・雇用契約書・就業規則)について説明します。

point

  • 入職誓約書

    求人活動を通じて採用を決定した職員さんから、所定の形式での「入職誓約書」の提出を受けます。書面には

    • ・提出後は無断で入職を拒否しないこと
    • ・転居や親族に移動があれば報告すること
    • ・承認を得ずに、他職に従事しないこと

    どが記載されています。昨今の個人情報・プライバシーの開示に関する規制が多い中で、事業主として知っておきたいこと、制約を設けておきたいことを、この誓約書の提出をもって相互確認します。
    実務では、入職誓約書は職員研修前に準備のうえ、採用通知と同封で採用職員さんに郵送し、即時返送もしくは研修初日の持参を求めるようにします。
    誓約書の提出を受ける効果として、研修前に提出を求めれば、「入職辞退の抑制」(法的には拘束力はありません)に効果がありますし、研修以降の提出でも「雇用を継続することが困難な職員さんに対する解雇要件適用」に補助的役割を果たします。

  • 雇用契約の締結

    雇用契約時のポイントは、院長先生と職員さんとの間の「雇用条件の理解のズレ」を解消することです。
    雇用条件については、求人広告や採用面接を通して、院長先生・職員さんともに、共通の認識をお持ちのはずですが、実際は異なります。
    採用面接時は、院長先生は人材確保に、職員さんは採用される事に集中しているため、採用通知後の時間経過とともに、確認済みの雇用条件が、自身の都合の良い解釈に変化するためです。
    入職時の雇用契約でこのズレを解消すると共に、「研修時給与をどのように支給するか」、「初回給与支給日が職員さんの生活での不都合にならないか」など、契約書に記載の無い部分まで配慮して、法令に定めるルールの範疇で対応を図る必要があります。

  • 就業規則の提示

    労働契約の締結とともに、就業規則を作成し、院内に周知することで、貴院の就業上の約束事を決定します。
    法令では、10名以上の職員を要する事業所に対し、就業規則の作成と所轄労働基準監督署への届出を求めていますが、職員数が10名に満たない事業所(医院)であっても、労務管理における就業規則の有効性は変わりありません。必ず準備しましょう。
    就業規則には、雇用契約書に記載されている諸項目の他、「服務規律、休暇休日、雇用・退職、賞罰」等、関係法令に定める範囲内で院内ルールとして機能する内容が記載されていますが、その条件として院内全員が「就業規則を周知している」ことが法的に求められます。
    規則として有効に機能させるためには、常に職員さんが目をとせる場所に保管しておくこと、また「就業規則は院内文書」ですので、無断で外部に持ち出されないようなルール作りが必要です。
    また医院運営においては、事の大小にかかわらず、日々様々な問題が生じます。その都度、就業規則の内容と照らし合わせて、規則範疇にないものについては加筆・修正を加えることが大切です。場合によっては職員さんにとって不利益につながる変更になる場合もあります。原則、不利益変更は認められていませんが、医院の経営状況や労働環境の変化に伴い認められる場合もありますのでご相談下さい。
    当社では、開業支援業務のなかで就業規則(例)の提供を行なうほか、助成金や補助金申請に必要な医院別就業規則の作成・修正(有償)で、貴院の労務管理をサポートします。

  • 有給休暇

    労働者が「権利として取得できる」賃金が支払われる休暇のことを年次有給休暇(以下、有給休暇)といいます。入職後6ヶ月経過・所定労働8割以上勤務を前提に、正職員・パート職員にかかわらず、その年間勤務日数に応じた休暇日数を取得できます。
    有給休暇取得については、運用上の定めがあります。

    • ・原則として、労働者が請求した時季に有給休暇を取得させる。
    • ・事業主は年5日以上の有給休暇を取得させる義務を負う。(年10日以上の有給休暇が付与される労働者の場合)

    したがって、職員から有給取得の請求が無い場合でも、就業規則で有給取得の計画付与を周知するなど、有給の「取得促進策」を進めていくことが必要になります。
    また、有給休暇取得権は権利発生時から2年間有効であること、有給休暇の買い取り(対価としての手当等の支給)は、職員退職時以外は認められませんので注意が必要です。

  • 退職・解雇

    就業規則に記載のある項目のうち、最もトラブルの多い項目です。法的に言うと、退職も解雇も「雇用契約の終了」のうちのひとつですが、「解雇」は会社側から一方的に雇用契約を終了させること、「退職」は解雇以外のものを指します。いずれも就業規則に記載する条件・(解雇)要件に則して判断します。

    (イ)退職:退職事由には自己都合退職、定年退職、労働者の死亡などがあります。自己都合退職の場合、就業規則に退職届の提出期限などが決められていますが、民法上は「最低2週間の退職予告期間を設ければ」退職は認められます。退職届の提出期限は院長先生と職員さんの「関係を壊さないための依頼事項」とご理解下さい。また退職意思確認のための退職届を受理しておくことが必要です。
    一方で職場のトラブルから無断欠勤が続き、連絡が取れない場合も珍しくありません。この場合は、就業規則に「無断欠勤、並びに所在不明で連絡が取れない状況が14日間に及んだ場合、その事実の翌日をもって自主退職とする」等の規則を定めておくことで、その職員を退職させます。もちろん、この意思表示が相手方に達しないと効力が生じないため、配達証明で文書を送るなどの手段を講じる必要があります。

    (ロ)解雇:法的に認められる解雇には次の3種類があります。

    ・普通解雇
    労働基準法と労働契約法に基づいて解雇をする方法です。解雇理由には客観的合理性と社会通念上の相当性が必要になります。
    ・懲戒解雇
    社内の秩序を著しく乱した労働者に対して、ペナルティとして行われる解雇のことです。
    ・整理解雇
    会社の事業継続を図るために従業員を解雇する方法で、いわゆるリストラのことです。

    解雇の理由として「勤務態度が悪い」「業務命令に従わない」など、労働者側に問題があることが考えられますが、一度の失敗ですぐに解雇が認められるわけではありません。労働者の落ち度の程度や労働者に対する指導の有無、医院の被った損害の大きさ、悪意か故意かなどさまざまな事情が考慮され、無効となるケースもあります。
    これらの解雇について、解雇権の乱用と取られないよう、慎重に対応を図っていきます。解雇の運用上のルールについて以下2点を挙げておきます。

    解雇が禁止される場面求人活動を通じて採用を決定した職員さんから、所定の形式での「入職誓約書」の提出を受けます。書面には

    • a)業務上の傷病による療養のために休業する期間と その後30日間の解雇
    • b)産前産後休業の期間とその後30日間の解雇
    • c)女性労働者が婚姻・妊娠・出産したことを理由にした解雇
    • d)労働者が育児・介護休業を申し出たり、休業をしたことを理由にした解雇

    解雇手続上のルール解雇を行う際には、原則として少なくとも30日前に労働者に対し解雇の予告をする必要があります。予告を行わないで解雇した場合には「解雇予告手当」として30日分以上の平均賃金を支払わなければなりません。これは二者択一というわけではなく、二つの日数を合わせて30日分以上であればOKです。
    例)解雇予告が10日前だったとしても、平均賃金の20日分の解雇予告手当を支払えば良い。

    ※二ヶ月以内の期間を定めて使用される労働者(期間内)や、試用期間中の労働者(入職後14日未満)など、労働基準法第21条により、解雇予告手当の支給対象にならない場合もありますが、解雇要件は必ず必要です。ご承知おき下さい。

賃金と労働時間

賃金と労働時間

給与や賞与など賃金に係わる項目は、雇用条件の中でも早い段階で決定する必要がある項目です。開業当初の必要資金計画に反映される項目であることはもとより、求人に際して応募者が最も関心をもつ項目でもあるからです。
一方で、開業される先生は、その賃金額の決定手順や支給対象・支給方法など、実務的な経験をお持ちでないのが一般的です。
開業にあたり、賃金とその関係項目について概要を説明します。

point

  • 給与・賞与の決定

    雇用条件を決定し雇用契約書を作成するにあたり、給与や賞与の支給額を検討します。給与については「その地域における同業(同職種)の給与」が支給目安になります。
    WEBでの求人広告や、求人広告業者がもつ地域の求人掲出給与の平均などを参考にしますが、医科・歯科医院の求人については地元からの応募が多くなるため、同地域で求人を出している他医院の給与水準は当然比較されるものとして把握しておく必要があります。
    一方では、給与以外の労働条件や処遇も、かね含めて検討する必要があります。例えば月の所定労働時間が152時間と168時間の事業所が、同額の給与であれば、152時間の事業所に応募は集中します。また社保の適用など処遇面で差がつくと、その劣後分をカバーするための加給を検討する場合もあります。
    適正な給与は、良い人材の確保と維持に必要な要件ですので、慎重に決定します。
    賞与については、医院の業績や職員の医院業務に対する貢献度により、その都度支給額を検討します。年間で2~4ヶ月相当が一般的ですが、開業当初は患者数も少ないため、賞与支給は相当の負担となります。生活給としての給与と異なり、賞与は貢献報酬的意味合いを含みますので、雇用契約の中に「在籍6ヶ月を超え、支給日に在籍する正職員を支給対象」とする旨、明記しておくことをお勧めします。
    もちろん、患者数が予想を超えて、資金繰りに余裕がある場合は、パートさんに対して(賞与がわりの)臨時手当を支給しても構いません。
    これらの支給ルールを給与規定・賞与規定として就業規則と分けて作成することも可能です。開業から法人化までの期間に規定として整える医院が多いようです。

  • 諸手当の考え方

    賃金として支給される諸手当には2種類あり、

    • ・法令で定められた条件で勤務した場合に支給される手当(残業 手当・休日出勤手当 等)
    • ・医院として福利厚生の意合も含め、職員の属性に対して支給される手当(通勤手当・住宅手当・扶養手当 等)

    があります。
    法令で定められた手当については、支給金額の計算方法が定められていますので、その手順で計算します。一方医院が独自に支払う手当については、支給理由や適正な支給額計算方法により「非課税給与」として支給することが可能なもの(例:公共交通機関を利用した通勤交通費)もありますので、会計事務所等と事前に打ち合わせしておくことが必要です。

  • 退職金の支給方法

    退職金は支給する側・される側、どちらにとっても相応の大きな金額となります。先生が支払う側に立った場合での支給金額のイメージですが、20年間の正職員継続勤務者に対し、その勤続者の約1年分の給与相当額とお考え下さい。勤続年数に対して比例的に増加するものではないため、仮に円満な自主退職であっても、1~2年の正職員に対しての支給額は0円、3~5年で給与月額の1ヶ月分程度、10年経過でも3ヶ月分程度のイメージです。
    支給額に対しての取り決めは退職金規定に準じて行ないますが、開業当初から支給に至るケースは希のため、給与規定などと同じ『法人化の機会に作る』といったケースが多いようです。

  • 労働時間

    賃金支給の原則は「ノーワークノーペイ(働いた時間に対して賃金を支給する)」です。正職員・パートタイマーにかかわらず、この原則にしたがって賃金は支給されます。
    労働契約で定める労働時間を「所定労働時間」といいますが、正職員は、この所定労働時間を勤務することで月給の支給を受けます。したがって、自己都合による早退や欠勤が生じた場合は、この所定労働時間に満たない勤務時間となるため、欠勤控除(減給)が発生しますし、残業等で所定労働時間を越える勤務が発生した場合は残業手当(加給)が発生します。
    パート職員の場合は、所定労働時間(勤務した時間の長短)にかかわらず、勤務時間相当分の給与を支給します。
    さらに、法令では1日8時間、1週間40時間以上の労働を禁止しています。(変形労働時間制など、別途取り決めのある場合を除く)
    この、超えてはいけない労働時間のことを「法定労働時間」といいます。労働契約における所定労働時間の設定も、法定労働時間の範囲内での設定になります。
    所定労働時間範囲の残業計算(時給単価計算)とは別に、法定労働時間を越えた場合は、時給単価の125%以上の残業単価で、残業手当の計算を行ないます。
    これら、残業手当の発生を極力抑制する手立てとして用いられるのが「変形労働時間制」や「定額残業手当」の導入です。勤務時間や時給単価の計算方法が通常の計算と異なるため、導入に際しては社会保険労務士や会計事務所などにご相談ください。

開業後に必要な各種届出

先生が医院として開業時に必要な診療所開設届(保健所)や、保険医療機関届出申請(厚生局)の他に、一般事業所の開設と同様の労務・税務関係に関する届出が必要になります。各省庁に対して必要な届け出をまとめます。

  • 0136協定の作成・届出

    開業に関する指南本で、労働基準監督署に必ず提出する届出として紹介されているものです。平たく言いますと「残業が発生する事業所全てに、提出が義務付けられている書類」です。
    ここでの残業は法定労働時間(1日8時間、1週間40時間:注) 注:変形労働時間制を採用する場合は異なる時間制限となる。
    を超える労働を指し、「これを超える労働は違法であり、この時間を越える労働が発生する場合は、労使協定合意の上、事前に届出を行うこととされています。
    書式は各都道府県の労働局のホームページから取得できますし、届出内容の記載も簡単なことから、多くの医院で提出されています。
    当社でも36協定の作成・届出サポートを行ないます(有償)。
    36協定にかかわる留意点2つは、「毎年必ず提出する」ことと「就業時間・雇用条件に合致した届出内容とする」ことです。
    もし36協定の提出を見送れば、法令上罰則があるのはもちろん、「残業手当を払っていれば問題なし」と考えがちな事業主(院長先生)に対し、職員からは「36協定さえ締結しない事業主」という見方、いわゆる「ブラック事業所」としての位置づけになります。日々の労務管理では気づきにくい点ですが、事業所としては必要作業としてご理解下さい。

  • 02労働基準監督署・公共職業安定所(ハローワーク)

    勤務時間中に発生した事故・休業等に適用される「療養補償給付」や「休業補償給付」、勤務していた職員が退職した場合に適用される「失業給付」、これら職員の健康や生活維持のための保険関係成立届

    事業所設置届・資格取得届を提出する先が、貴院所在地を所轄する労働基準監督署や公共職業安定所(ハローワーク)です。
    労務管理に関係する手続は、職員さんとの契約や行政機関への届出等、その全てが、法令による「事業主の責による」の一言で、先生の作業となります。一方で、その作業の難易度や、必要な投下時間や業務量については、先生もご存知ないところです。
    ここで確認をしておきたいのは、労務関係における「院長(事業主)として必要な作業と、職員さんからの依頼で行なう作業」の優先順位は、先生と関係事業者(会計事務所・社労士事務所)とで情報交換しながら決定するということです。
    例えば、貴院が労災保健指定医療機関の届出を出そうとしても、貴院自体が事業所として労働保険適用事業場(保険関係成立届出済)になっていなければ、その届出は提出が叶いません。

    職員さんの(雇用保険における)再就職手当は、貴院の雇用保険適用事業所設置届の受理後の手続になります。
    職員さんは、既存医院さんと新規開業医院さんとの業務量の違いをご存知ありませんから、「すぐに出来る」の回答を期待します。
    労務関連手続のご依頼を受けたり、ご不明な部分が生じた場合は関係事業者にご相談下さい。
    弊社における労務関係手続は、弊社グループ企業である社労士法人日本労務グループを通じ、有償で承ることが可能です。

  • 03税務署

    個人事業を開業したことを申請する開業届は、事業所がある最寄りの税務署に提出をする必要があります。主要なものを列記します。

point

  • 個人事業の開業・廃業等届出書

    先生の医院の名称(屋号)や住所・業務内容など、事業所としての概要を提出します。

  • 青色申告承認申請書

    青色申告を行う場合に必要な申請書。節税効果の高い青色申告で確定申告を行いたい場合は、こちらの申請書を開業届とあわせて提出します。

  • 青色事業専従者給与に関する届出書

    青色事業専従者給与とは、配偶者や親・子供(専従者)などを雇い支払う給与のことを言います。この届け出により専従者の給与を経費にすることができます。

  • 給与支払事務所等の開設届出

    給与を支払う事務所や店舗を開設した日から一か月以内に税務署に提出をします。この届出は、正職員に限らず、パートやアルバイトを雇った場合でも必要になります。

  • 源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書

    従業員に給与から源泉徴収した所得税は、原則としてその給与を支払った月の翌月10日までに税務署に納付する必要があります。
    従業員が9人以下の場合は源泉徴収した所得税を半年分まとめて納めることができる特例があり、この適用を受けるための届出書です。

上記の届出と合わせ、減価償却方法や棚卸資産の評価方法を届出する書類等があります。
注意したいポイントが1点あります。先生の中にはアパートやマンションを所有し不動産所得を上げられている先生や、個人事業での事業所得を上げられている先生がいらっしゃいます。これらの申告を白色申告で行なっている場合、青色申告の適用を受けようとする場合は、開業年の3月15日までに青色申告の届出を済ませておく必要があります。診療所開設前に届出を済ませることが必要な場合が生じますので、その点注意が必要です。

人事考課と職員面談

人事考課と職員面談

一般企業では、その多くで取り入れられている人事考課制度ですが、医科・歯科医院で有効に運用できている医院は少ないと思います。
人事考課は適切に行えば大きなメリットが期待できる制度ですが、実施においては注意すべき点もあるため、注意が必要です。ここでは、人事考課の概要について記載します。

point

  • 人事考課とは

    「人事考課」とは、従業員をさまざまな判断材料を一定の基準で公正に査定し、その結果を基に職員さんに対して適切な処遇を行うことを目的とした仕組みのことです。職員さんの業務に対する貢献度や職務遂行能力、業績やスキルを、評価者である院長先生の主観を交えることなく適切に査定し、賃金、昇給、昇進、配置などに反映させます。人事考課は、賃金や昇格を決めるだけのものではなく。院長先生や同僚からの他者評価とともに、自己評価も交え総合的な観点で査定します。
    自己評価と他者評価に大きな隔たりがあれば、正しく把握するためにお互いの合意点を見い出すべく面談を行います。
    職員さんが不信感や不満を持つことなく、院長と職員とが円滑な関係を築ける人事考課は、医院の目指す方向性を整え、全体のモラル向上に役立つ有用な制度であり、職員さんの満足度やモチベーションアップに役立ちます。
    「人事考課は大きな組織がやるもの」とお考えの先生は多いと思いますが、大きな組織でないが故に、日々の業務に追われ、狭い空間での人間関係から、自身の立ち位置を見失う職員さんが、数多くいます。
    職場における自身の価値や役割を見直し、あるべき姿を取り戻してもらうための仕組みとして、人事考課は有効です。

  • 効果と留意点

    効果

    • 医院の方針や理念に基づいた行動規範を示せる人事考課の評価基準を従業員に公開することで、医院が職員さんに期待する行動を明文化し可視化することにより、医院全体で同じ方向性を共有でき、目標に向かって業務を進めることが可能になります。
    • 従業員の成長を促せる人事考課は、院長先生や同僚、加えて自己評価を通して査定されるものです。具体的な評価基準に基づいて査定された結果は正当なものであり、自分の改善点や問題点が浮き彫りになります。目標に向けて職員さんのさらなる成長を促すことができます。
    • 職員のモチベーションの向上や維持につながる人事考課による公正な評価に基づいて適切な給与や役職を与えられることは、自分の行動や業績が多くの人に認められた証拠です。頑張り次第で正当な評価が得られる医院であれば、職員さんのモチベーション維持や向上につながります。
    • 院長とのコミュニケーションが円滑になる正しい査定を行うために、院長先生と職員さんとの面談の場が設けられますので、コミュニケーションを取りながら、お互いの合意のもと査定することになります。職員さんは自分を理解し公平に評価されることに安心感を持ち、無駄なマイナス心理はなくなります。

    留意点

    • 職員さんから不満が出る可能性がある人事考課のひとつひとつの項目について、ABCや5段階で評価します。結果は数値化するため、上位から下位のランク付けができてしまいます。評価の低い職員さんから不満が出る可能性がありますので、職員さんの成長努力やモチベーションアップにつながる対策が必要です。
    • 職員さんの理解が必要何のための人事考課制度なのか、目的を履き違える従業員が出ないとも限りません。適切な人事考課を行わないと、従業員が評価される仕事しか行わなくなることが危惧されます。
  • 人事考課のステップ

    • 企業基準の策定医院独自に現状を踏まえて策定してこそ、適切な評価と人材育成につながります。そのためには、初めに企業理念や戦略に基づいた評価項目を策定し、どこを重視すべきか、どこを平均とするかなど、それぞれに基準値を定めます。
      特に、従業員に階層や階級を設ける場合は、評価者である院長先生の主観が影響することなく、それぞれに明確に基準値を設定しておくことが重要です。
      基準値とは、5段階評価とする場合、どの水準に到達していれば「AやS」「5」とするかの判断の根拠とする内容です。
      判定が不明瞭にならず機会的に判定できるよう、評価項目、基準値、評価方法について定め、それぞれ明文化しておく必要があります。
    • 目標設定人事考課の次のステップは目標設定です。目標は院長先生と職員さんの双方の話し合いの中で、現実的な目標を設定することが大切です。努力すれば達成できる可能性がある範囲内に目標を定めることが重要で、そのためには、院長先生は、過去の業績や資質などを正しく判断し、医院目標と職員さんの意向の両方を汲んだ目標が設定できるように導かなければなりません。最終的には、職員さん本人が自分で納得できる目標を設定することになります。
      ここでのポイントは「職員さんが取り組むべきことが具体的にわかり、達成度が数値で表せる目標を立てること」です。
      努力次第で達成できる可能性がある、という程度の難易度で目標設定することも大切です。
    • 評価院長先生は当初の「企業基準の策定」で定めた企業基準に従って職員さんを評価します。優劣や序列を決めるために査定するのではなく、誰に対しても公平な評価が下されなければなりません。公平な目線で、職員さんを育成する視点で適切に評価することが重要です。
      人事考課は、同じ評価項目について職員さん自身も自己評価を行います。院長先生は従業員の自己評価も鑑みる必要があります。そのうえで、誰が評価しても納得のいく根拠が示せる評価でなければなりません。
      ポイントは「できる限り客観的に評価すること」です。
    • フィードバック面談人事考課は、院長先生の査定と職員さんの自己評価で昇給や昇格が決定して終わりというものではありません。
      評価に対するフォローがなければ、人事考課制度を運用する意味がないといっても過言ではないほど、このステップは重要な意味を持つものです。
      今期の反省点を振り返り時期の目標を定めるためにも、評価者である院長と職員との面談は欠かせません。
      面談の場では、「評価」のステップをもとにして、院長から職員へのフィードバックを行います。
      このフィードバックが今後の成長の大きな糧となることを理解し、モチベーションを高められるよう、院長先生と職員さん双方が真摯に向き合う姿勢が大切になります。
      ポイントは「職員さんが話しやすいような環境をつくること」です。糾弾するのではなく、低評価でも萎縮しないような言葉の使い方を工夫して接します。
      常に肯定的に、例えば、「なぜうまくいかなかったのか?」ではなく「どうしたらうまくいくと思うか?」といった肯定的な言葉で質問すると良いです。
  • 人事考課の3つの視点

    • 成績(業績)考課人事考課の観点のひとつに、職員が出した成果や業績について、どれだけ会社に貢献したかという視点で評価する「業績考課」があります。
      この観点は、目標に対してどの程度の達成率であるかを評価するもので、業績を上げるためのプロセスとは関係なく、あくまでも金額・件数・貢献度などの数字に基づいた客観的な査定を行うことが特徴です。プロセスは一切考慮しません。
    • 能力考課2つ目の人事考課の観点として、従業員が持っている知識や能力を正当に評価できる「能力考課」があります。
      仕事の結果で規定される成績(業績)考課に対して、能力考課は、業務の遂行過程で身につけた能力について評価するための観点です。具体的な項目としては、職務知識、判断力、企画推進力、折衝力、熟練技能、指導力などがありどれも、業務を遂行するに当たり欠かせない能力です。
      表立って業績の数字に現れない、誰もがやりたがらない縁の下の力持ち的存在の従業員を公平に査定します。
    • 情意(態度)考課3つ目は、成果を出す過程で示される仕事への姿勢や態度に関する「情意(態度)考課」があります。
      情意や態度とはどういうことかというと、主に、次のような観点が挙げられます。以下の性質から、勤務態度や意欲など、今後の成長が期待される従業員を評価します。
      • 「規律性」 ルールを守り指示に従う性質
        「積極性」 現状に満足せず上を目指す性質
      • 「責任性」 与えられた仕事を、責任をもって遂行する性質
        「協調性」 メンバーと協力して共同の業務に取り組む性質
    • これらを通じて、経験や知識がまだ足りず成績(業績)考課や能力考課の高評価には及ばないが、見込みのある職員を、情意考課によって評価することができます。
      情意(態度)考課は、職員の内面の性質を評価するものなので、根拠を示すのが困難な観点でもあります。同僚など様々な立場の人からの評価を集めることでより正確な評価を心がけます。
  • 人事考課の注意点

    • ハロー効果ハローは英語のhaloで、光輪や後光という意味を持ちます部下が持つ目立ちやすい優れた印象(ハロー)が強く残り他の評価ポイントも同様に高い評価になってしまうことで起こるエラーです。
    • 先入観で生じるエラー「学歴」「年齢」「性別」などの本人のスペックに関する先入観に基づいた評価を行ってしまうエラーです。たとえば、難関大学出身だから仕事ができる、若いから経験が浅い、男性だからリーダーに相応しいなどの本人の資質とは無関係の先入観によるエラーです。
    • 帰属によるエラー職員が取った行動以外の外的要因を実際以上に大きく捉え、それを評価に反映してしまい正しい評価に結び付かないエラーのことです。たとえば、職員本人が努力して得た業績であっても、景気が良くなったおかげ、と努力を否定するかのような見方をしてしまうエラーです。

経営管理

経営状況を把握して今後の方向性を考えるための資料はお持ちですか。
簡単にいうとクリニックの健康状態を知る損益の傾向や月別医業収入3期比較・クリニックのお金の流れを示す、キャッシュフロー分析や損益分岐点分析などが早期に会計事務所から提出されて営業会議の資料としてつかうことが可能になっていますか。
開業当初はいろいろなお金が支払われ内容が分からなくなる場合があります。早期に内容の把握をすることにより、有効なお金なのか、無駄な使い方をしていないか早期に知りたくありませんか。

医療関係は診療報酬月次推移表(原単位分析)を見ることにより社会保険・国民健康保険別に月々の点数、1日当たり来院患者数1人当たり平均点数・来院回数などの資料があったらな先生は季節的な要因による増減なのかどうかの判断が出来る資料は必要ではありませんか。
但し、書面添付が出来ない場合がありますので注意して下さい。

開業時特有の経営管理

開業関連費用整理

開業関連費用整理

開業を意識してから医院開設に至るまでに支払う代金・費用を開業関連費用として整理します。利益を押さえ節税効果を高めるためには、経費としての開業関連費用をもれなく計上・整理することが必要です。ここではその整理方法を説明します。

point

  • 開業関連費用

    開業関連費用は「設備関連費用」と「諸払費用」に分類されます。
    特に設備関連費用は、支払先が同じでも費用項目で経費としての処理方法が異なるため、注意が必要です。

    • 建物・内装費・医療機器など内装費や医療機器(取得価額10万円以上)は「固定資産」になります。固定資産は種類や使い方などで、何年で償却するかが、別途法律で規定されています。
      償却方法には、定額法と定率法に2種類に償却方法があります。
      また、取得金額30万未満の減価償却資産を所得した場合には取得した事業年度において、取得価格の全額(年間300万円を限度としまう)を損金算入することが出来ます。

    (1) 少額減価償却費の損金算入制度10万円未満 : 全額損金算入
    20万円未満 : 3年間で均等償却中小企業のみ
    30万円未満 : 全額損金算入(合計300万円が限度)

    設備支払における、科目別用途・対象について列記します。

    • ① 建物診療所・助産所有は、病院用の耐用年数になります。
      内装関係の耐用年数は、病院用の17年でおこなって下さい。
    • ② 建物付属設備電気設備・給排水・衛生・ガス設備・冷房、暖房通風ボイラー・エレベーター・消火、排煙、災害報知設備及び
      格納式避難設備など
    • ③ 構築物舗装道路・路面等、駐車場のアスファルト・下水道・ヘイなど
    • ④ 車両及び運搬具自動車・小型車・自転車など
    • ⑤ 工具・器具・備品事務机・いす・キャビネット・応接セットテレビ・ラジオ・冷蔵庫・カーテン・じゅうたんなど
      医療機器は器具及び備品に入ります。
      消毒殺菌用機器・手術機器・歯科診療ユニット・ファイバースコープ・レントゲンなど
    • ⑥ 敷金家賃の1ヵ月~3ヶ月が平均です。
      退出時の備えで賃貸をやめるときに、借りた時と同上な状態に戻すための費用を事前に預けておくものです。
    • ⑦ 保証金保証金は、3か月~10ヶ月と幅があります。
      担保として貸主に預けるけいこうにあります。
      最近は保証金を償却することはほとんどなくなりましたが、5~10%前後、賃貸契約の更新時または年間で
      償却する場合があります。
    • ⑧ 開業費上記以外の経費
      飲食代・交通費など

    ポイント

    • 土地の取得費になるもの

      • ・ 借主を立ち退きさせるための費用
      • ・ 土盛り・地ならしをするための費用
      • ・ 土地の測量費
      • ・ 実際に使用するため日までに機関に対応する期間の利子
    • 経費になるもの

      • ・ 不動産取得税
      • ・ 特別土地保有税
      • ・ 印紙代
  • 準備費用

    • 打合せ費用・研修参加費・内覧会費用・入会金など開業費として、繰延資産という資産科目で処理し、5年間の償却により毎年費用計上します。
      但し、期間内での任意償却も可能です。

    個人事業主として医院開設しますので、かかった費用は基本的に”全て”開業費になりますが、開業費に区分できないものもあります。

    • 薬品・材料の仕入代金開業後の診療に用いる原材料になりますので、開業費ではなく「売上原価」として費用処理します。
    • 敷金・保証金など後日、返金されるもの敷金や保証金など、後日戻ってくるものは経費ではないため、開業費にはあたりません。
  • 領収書の整理方法

    開業費に区分されるものと、そうでないもの(減価償却資産等)で、領収書の整理方法が変わります。
    開業費として整理するものについては、開業費明細表を作成することで開業準備に係る費用であることを明らかにします。
    「領収書やレシート(以下:支払証憑)を保管してあれば良い」というのは開業費としての必要最低条件であって、その支払証憑だけでは「開業の何のために必要だった」かが判りません。
    支払証憑をスクラップ等で帳面にしておくのと共に、「いつ・誰に・何のために」支払ったのかを開業費明細表の作成を通して、記憶を記録としておく必要があります。
    一方、医院開業における減価償却資産の代表的なものは、医院建物や内装・医療機器等です。
    これらの見積書・契約書・納品書・領収書等は、開業費として経費化するものよりも、サイズが大きく整理が困難です。支払業者別にクリアファイル等にまとめて保管しておく方法が、手間も掛からず効率的です。
    費用の支払目的や細目も明確であるため、開業費明細への記載は業者別での一括記載で構いません。

個人支出した資金の整理

個人支出した資金の整理

開業関連費用の整理が出来ましたら、その資金は誰からのモノなのか。資金のででどころはどこなのかの整理をおこないます。
支出は3つに分類されます。

point

  • 自己資金

    先生が開業するために支払をおこなった金額です。
    融資を受ける前に立替金額でも融資後に返済する場合のあります。
    開業関連費用の2割から3割は通常の金額になります。

  • 親族等の借入

    事前に開業を考えていた先生は、貯金等をしていますが、突然開業を検討した先生は預金等がない場合があります。
    親戚や知人から、お金を借りる場合があります。
    特に親からの借入れは、贈与と見られる場合がありますので、金銭消費賃貸契約書を作成をして下さい。
    特に返済は、返済の証拠を残す必要性がありますので、振込でおこなって下さい。
    年1回の返済か、毎月返済かはきちんと期限通りにおこなうことが贈与にあたる等言われないポイントになります。

  • 金融機関

    金融機関からの融資になります。
    制度融資等の借入れは、税金の支払が未納になっていますと借入れが出来ませんので事前に開業支援担当者に相談が必要です。
    生命保険の支払があり積立部分からお金を借りて開業をした先生の実際におります。弊社ではありませんが他の開業支援担当者は税金の未納部分を知らずに内装が出来上がっているにも関わらずに融資が出来ずに開業を断念して裁判になっていると言う実例のありました。

開始貸借対照表

開始貸借対照表

貸借対照表はバランスシート(B/S)とも呼ばれ、事業の財政状態がどのようになっているのかが分かる経営資料の一つです。
開業時に作成するのが開始貸借対照表で、現金や不動産などの資産、借入金や元入金(自己資金相当)などの負債が記載されています。
事業開始にあたり、医院の資産・負債がどのような状態にあるのかが、一目で解る資料となります。

診療開始後の経営管理

診療収入管理

診療収入管理

保険収入は病院の大半を占め、各種健康保険による診療全般の収入を指します。
窓口で患者本人が支払う収入と、社会保険診療報酬基金などから振り込まれる収入(保険請求)の2種類があります。
いずれも保険収入で仕訳しますが、保険請求の入金は2ヶ月程度遅れる点に注意が必要です。
その他物品売上による収入を指します。
例えば歯科医が歯ブラシ・歯磨き粉を患者に販売した場合、雑収入で売上を計上します。

point

  • 3つの収益

    • ①保険収入
    • ②自由診療収入
    • ③雑収入(①と②以外の収入)
  • 3つの利益

    • ①医業総利益「粗利益」とも言われます。
      医業収入から、材料費等の原価を差し引いた利益を表します。
    • ②営業利益医業総利益(粗利益)から販売費・一般管理費を差し引いて求めます。
      病院の本業の利益を表します。
    • ③経常利益病院の経常的な営業活動から得られた利益を表します。
  • 医業収益とは

    • ①外来診療収益外来患者の診療及び療養に係る収益を計算する勘定科目です。
      例としては、医療保険・公費負担医療・労災保険公害医療・自動車損害賠償責任保険・介護保険等・自費診療などがあります。
    • ②入院診療収益入院患者の診療及び療養に係る患者窓口負担金や各支払機関請求分を計算する勘定科目です。
    • ③保険予防活動収益保険適用外に係る収入を計算する勘定科目です。
      例としては、妊産婦保健指導等保健予防活動・健康診断・人間ドック・予防接種等の収益があります。
    • ④その他の医業収益診断書等の文書料など前出に属さない医業収益を計上する勘定科目です。
原単位分析

原単位分析

利益管理にあたり、収入目標を達成する手立てとして「原単位分析」という手法があります。
月次試算表など一般的に経営状況の把握に用いられる資料からは、時系列での収入増減はわかりますが、その具体的な要因までは見えません。
そこで、医業収入を患者数×診療単価などに分解・分析(原単位分析)していくことで要因を把握し対策を打つことが必要になります。
当社では、全体収入の推移、患者さんの回転率(実日数)、新患数、レセプト平均単価と保険の割合、技術料など1日当たりの診療行為の中身に踏み込んで課題を抽出し、タイムリーな経営状態を把握、状況に応じた経営を実践し具体的な増収対策を見出すお手伝いをします。

【原単位分析例】

  • 件数・実日数・点数推移

    件数・実日数・点数推移
  • 1日当たり来院患者数(実日数/診療日数)

    1日当たり来院患者数(実日数/診療日数)
  • 1日1人当たり平均点数(点数/実日数)

    1日1人当たり平均点数(点数/実日数)
指導監査の概要

指導監査の概要

保健医療機関の指定を受けている歯科医院や保険医登録をしている歯科医師にとって、診療報酬請求に関する行政指導(以下「指導」)は、指導の結果やその後の手続(監査)によっては保険医登録取消しなどの重大処分につながるおそれがあるため、日ごろから注意しておかなければならない問題といえます。
指導の中でも特に診療報酬請求に疑義のある可能性が高いと思われている段階での手続である個別指導と、不正又は著しい不当があったことを疑うに足りる理由がある場合に実施される監査では、ほとんどが診療報酬の返還という事態に発展します。
指導・監査の対象とならないことが一番ですが、このような制度がある以上、制度の構造をしっかりと押さえて、万が一指導の通知が来た場合に、対応できるように準備をしておくことが重要です。

point

  • 厚生労働省 指導・監査等実態調査データ

    • (1)保険指定医療機関の個別指導・監査の状況2018年度に個別指導を受けた保険医療機関等は4,724件(参考:前年度比107件増)で、内訳は、歯科1,332件(同18件増)、医科1,653件(同25件増)、薬局1,739件(同64件増)となっています。

      2018年度保険医の指導実施状況2018年度保険医の指導実施状況厚生労働省ホームページ:2018年度における保険医療機関等の指導・監査等実施状況より
    • (2)保険医の指導・監査の状況個別指導を受けた保険医等は1万4,680人(参考:前年度比3,826人増)で、内訳は、歯科医師2,993人(同1,190人増)、医師9,210人(同2,599人増)、薬剤師2,657人(同217人増)となっています。

      2018年度保険医等の指導実施状況2018年度保険医等の指導実施状況厚生労働省ホームページ:2018年度における保険医療機関等の指導・監査等実施状況より
    • (3)返還金額の状況2018年度の診療報酬返還は、約87億4千万円であり、昨年実績を15億円上回っています。また、指導による返還分が、約32億8千万円、適時調査による返還分が約49億3千万円、監査による返還分が約5億3千万円となっており、いずれも前年実績を上回っています。

      2018年度の返還金額の状況(単位:万円)2018年度の返還金額の状況厚生労働省ホームページ:2018年度における保険医療機関等の指導・監査等実施状況より
    • (4)保険医療機関の取消状況の推移指導、適時調査、監査からの保険医療機関の取り消し件数は、以下の通りです。歯科院は、例年20件前後の件数となっていましたが、2018年度は12件と、前年と比較して7件減少しています。

      保険医療機関の取消件数の推移保険医療機関の取消件数の推移厚生労働省ホームページ:2018年度における保険医療機関等の指導・監査等実施状況より
    • (5)保険医等の取消状況の推移歯科医師、医師、薬剤師の保険医等の取消状況の推移は、下記の表のとおりとなっており、歯科医師の取り消し件数は、例年10名以上となっています。

      保険医の取り消し件数の推移保険医の取り消し件数の推移厚生労働省ホームページ:2018年度における保険医療機関等の指導・監査等実施状況より
  • 指導に関する根拠法令

    指導に関する根拠法令は、健康保険法第73条(厚生労働大臣の指導)に明記されており、「保険医療機関及び保険薬局は療養の給付に関し、保険医及び保険薬剤師は健康保険の診療又は調剤に関し、厚生労働大臣の指導を受けなければならない。」と規定されています。
    具体的には、中央社会保険医療協議会(中医協)において、診療側・支払側等による議論を経て決定され、平成7年12月保険局長通知(最終改正 平成20年9月)として公表された「指導大綱」の規定に基づき実施されています。

    指導の根拠法令等

    • ● 根拠法健康保険法第73条(厚生労働大臣の指導)
    • ● 目的保険診療の取扱い、診療報酬の請求等に関する事項について周知徹底させること
    • ● 指導ポイント・「保険医療機関及び保険医療養担当規則」をはじめとする基本的ルールに則っているか
      ・診療報酬請求が点数表に定められたとおり、適正に行われているか など
    • ● 指摘事項は11項目診療録等、医学管理等、在宅医療、検査、画像診断、リハビリテーション、歯周治療、処置等、手術、歯冠修復及び欠損補綴、診療報酬請求

業績管理のポイント

損益分岐点分析の活用

損益分岐点分析の活用

医科歯科経営における収入は保険診療収入・自費診療収入・その他収入に分類され、経費は収入額に比例して増減する変動費と、収入額に関係なく、毎月ほぼ定額で支出される固定費に分類されます。
開業当初に目指すのは、この変動費と固定費をカバーできるだけの収入(損益分岐点売上高)であり、その収入を得るために固定費・変動費はどうあるべきか、これら費用の増減が損益分岐点売上高にどのように影響するのか、ここでは、損益分岐点分析を通じてその考え方と損益分岐点の計算手順を確認します。

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  • 損益分岐点売上高の確保

    損益分岐点とは、係る費用を収入でカバーでき、損益が「0」になってこれ以降は利益が出る、という売上高(医業収入)をいいます。
    当然のことながら、医業収入すべてが利益というわけではなく、その収入から人件費や家賃などの経費を引いて利益を出します。
    費用には、収入に比例して増加する「変動費」と、収入に関係なく発生する「固定費」があります。この「固定費」を「限界利益率(1-変動比率)」で除したものが損益分岐点売上高になります。
    利益を生み出しやすい事業体質を作るためには、「損益分岐点売上高がより低い」ことが、その目標になりますので、
    ・固定費を低く押さえること
    ・限界利益率を上げること(=変動費率を下げること)
    が、重要になります。
    損益分岐点計算における変動費と固定費は、次の要領で把握します。

    • 変動費変動費とは、診療・治療に伴い必要となる薬品や材料、また検査を外部機関に委託する場合の検査外注費等、医業収入の増減に伴って増減する費用の総称です。歯科など治療ごとに材料を発注する場合がある診療科を除き、多くの場合は銀行口座からの振込や口座振替で支払が行なわれます。
      また、収入(売上)に対する変動費の割合を変動比率といい、この値は診療科目によって異なります。この変動費率が低いほど、利益が出やすい体質といえます。
      一方で、節税目的で利益の圧縮を図るため、過度に薬品や材料を購入しても、実際に利用されていない薬品・材料分に係る費用は経費として認められません。この点は注意が必要です。
    • 固定費変動費と異なり、医業収入の増減にかかわらず必ず支出される費用の総称です。具体的には、人件費や家賃、リース料等が、これに該当します。変動費と同様にこの費用が少ないほうが利益の出やすい体質と言えますが、固定費の多くを占める費目は、月々定額費用を支払う契約による支払が主であるため、低減化が難しい費用ともいえます。テナント家賃やリース医療機器契約の更新時に周辺相場も含めて、機会を逃さず交渉を行うようにします。
目標利益売上高分析の活用

目標利益売上高分析の活用

目標利益は、医院の経営を維持することに加え、個人事業主として必要な生活費や貯蓄費用を確保するために設定します。
損益計算では費用としない「借入金返済額」や、費用算入されていても資金支出が伴わない「減価償却費」も加算減算項目になります。右表を例にとれば、生活費として1,400万円が必要であれば、その生活費に借入返済額596万円を加え、減価償却費600万円を引いた1,404万円が目標利益となります。
この目標利益を確保するために、どれだけの収益(目標利益売上高)が必要なのかを検討するのが目標利益売上高分析です。計算には損益分岐点売上高の計算方法を応用しますが、目標利益の設定には先述の減価償却費や借入金返済額など、開業当初の取組で既に決定済みの要素が、加算・原産要因として関係します。目標利益確保のためには、開業当初の設備投資や銀行借入が適正な規模・約定で行われることが必要であるとともに、目標利益売上高の達成に必要なマーケティングを日頃から意識した医院経営が必要です。

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  • 目標利益売上高分析の手順

    上の図表を使って目標利益売上高の分析手順を確認します。上の図表を使って目標利益売上高の分析手順を確認します。
    • ①損益分岐点売上高の確認損益分岐点売上高:Y0は、固定費:aを(1-変動費率)で除したものになります。(図表1参照)Y0 = a ÷ ( 1 - b / Y ) 売上高:Yをあげるのに必要な経費を、変動費・固定費としてしっかりと把握することが、正確な損益分岐点売上高を把握するポイントになります。
    • ②目標利益売上高の計算目標利益売上高: Y1は、固定費:aに目標利益(必要生活費に借入返済額を加え、減価償却費を減じた金額)を加え、(1-変動費率)で除したものになります。(図表2参照)
      損益分岐点売上高の計算式にあてはめると、次のようになります。Y1 = ( a + 目標利益 ) ÷ ( 1 - b / Y ) 固定費:aと変動費率: b/Yは、業容に大きな変化が無ければ「定数」となりますので、目標利益を変化させることで、その目標利益達成に必要な売上高を算出します。
  • 目標利益売上高分析と原単位分析

    目標利益売上高分析と原単位分析の結果を用いて、目標管理売上高を達成するための、1日の必要患者数を算出します。

    必要条件:
    先に掲出の目標利益算出表と原単位分析例を使用
    変動費率:14.4%、固定費:28,760千円
    保険診療点数(1回):503.38点
    月平均診療日数:23.17日
    上の図表を使って目標利益売上高の分析手順を確認します。

    このように、目標利益を変数として目標利益売上高を計算することが可能ですが、薬価改定や患者数の増加による診療時間の変更(延長)、職員の増員も想定されますので、変動費率や固定費の増減を考慮しながら、目標利益売上高や目標患者数の検討を行います。

経営上の緊急事態対応

経営上の緊急事態対応

医科歯科経営の緊急事態では、日頃の備えで対応できるものと対応できないものがあります。日頃の備えでは、先生のご健康や診療に不測のトラブルが生じた場合に経営が維持できるよう、民間の各種生命保険への加入や、所得補償制度、医師(歯科医師)賠償責任保険での対応を図ります。
一方、天災等に伴う診療活動の制約や、経営環境の激変などは、日頃の備えでは賄いきれません。国をはじめとする行政からの補助金や助成金、経営や雇用を維持するための各種制度の情報をいち早く収集し、制度の専門家たる税理士や社会保険労務士などを交え、その対応を検討する必要があります。
「備えあれば、憂いなし」ですが、日頃の備えで対応しきれない場合もあります。ここでは、その際に必要な各種補助金・助成金・制度支援の名称についてポイントとして列記します。

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  • 政府系融資/一般

      • ・新型コロナウイルス特別貸付
      • ・商工中金による危機対応融資
      • ・新型コロナウイルス対策マル経融資
      • ・特別利子補給制度(実質無利子)
      • ・セーフティネット貸付の要件緩和
  • 政府系融資/生活衛生関係

      • ・生活衛生新型コロナウイルス
      • ・新型コロナウイルス対策衛経融資
      • ・特別利子補給制度(実質無利子)
      • ・衛生環境激変対策特別貸付
  • 民間の信用保証付き融資

      • ・セーフティネット保証4号・5号
      • ・危機関連保証
      • ・民間金融機関における実質無利子・無担保融資
  • 借換/リスケ/配慮要請

      • ・日本公庫等の既往債務の借換
      • ・新型コロナ特例リスケージュール
      • ・金融機関等への配慮要請
  • その他

      • ・小規模企業共済の特例緊急経営安定貸付等
      • ・経営セーフティ共済の特例措置
      • ・DBJ・商工中金による危機対応融資
      • ・給付金
      • ・持続化給付金
      • ・家賃支援給付金
      • ・設備投資・販路開拓支援
  • 雇用関連

    • ・雇用調整助成金の特例措置
    • ・新型コロナウイルス感染症対策対応休業支援金・給付金
    • ・小学校の臨時休業に伴う保護者の休暇取得支援(労働者に休暇を取得させた事業者向け)
    • ・小学校等の臨時休業に対応する保護者支援(委託を受けた個人で仕事をする方向け)
    • ・個人向け緊急小口資金等の特例
    • ・休業や労働時間変更への対応
    • ・都道府県労働局及び労働基準監督署における配慮
    • ・外国人の在留資格取扱い
  • 家賃関連

    • ・賃貸借契約についての基本的ルール
  • 自治体と連携した支援

    • ・地域企業再起支援事業
資金管理のポイント

資金管理のポイント

損益管理とともに重要なのが資金管理です。資金管理の目的は「支払が必要な時に、その資金が確保されていること」です。損益管理で利益(黒字)計上するためには、資金管理による経営の維持が必要です。また、「損益が赤字で支払が滞る」ことは当然ですが、「損益が黒字で支払が滞る」場合もあります。

  • ①「損益が赤字で、支払が滞る」場合

    • ・ 費用を支払うだけの収入(患者数)が無い
    • ・ 収入は他医院と遜色ないが、固定費(家賃・人件費等)が高額
  • ②「損益が黒字で、支払が滞る」場合

    • ・ 過剰設備投資などが原因で、利益(黒字)額を借入返済額が上回る
    • ・ 運転資金の枯渇で、収入の入金日以前の経費支払が困難になる
    • ・ 事業と家計の区別が無くなり、必要生活費以上に資金が流用されている

これらの状況を回避するために資金管理を徹底します。

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  • 収入

    医科歯科診療所の収入の多くは、保険診療収入と自費診療収入です。
    これらの収入は損益管理の上では、その日の診療が完了し患者さんから診療報酬を受け取った時点で、その10割が計上されます。
    一方で、この診療報酬を現金の入金ベースで考えると、保険診療収入はその1~3割は窓口現金収入として収納されますが、残額は翌々月の20日~23日の収入となり。日割りで考えると入金までに最大80日程度の期間が必要になります。
    自費診療収入についても、当日の現金支払を除くクレジット・電子マネーの入金は翌日~25日程度、入金までに少なからず期間が必要になります。
    開業時はもちろんですが、これら入金までの間の経費の支払に耐えうるだけの、現預金を常に確保しておく必要があります。

  • 費用

    支払う費用についても、費目それぞれの支払期日は決まっています。
    薬品材料等でしたら当月締めの翌月末払い、家賃なら来月分を当月末払い、職員さんのお給料は、当月10日までの1ヶ月分を当月25日支払いなどです。医業収入の多くを占める診療報酬振込分が後から入金になりますので、その点を考慮すると共に、費用支払いには季節要因(賞与や納税)、財務要因(借入元金返済の据え置き期間終了)などが関係しますので、その点も先を見越した準備が必要です。

  • 資金繰表の役割

    これら収入と費用の管理を通じて、もっとも実効があるのが「資金繰表」の作成です。その年の収入と費用支払を月別に展開し、月づきにおける現預金の増減を把握することで、同月における現預金残高が費用支払に耐えうるか、借入返済に不足がないかを確認します。
    この資金繰表と損益管理の利益計画を組みあわせれば、節税対策としての設備導入に対する投下可能な資金額や、銀行借入の繰上返済額も確認可能となり、余剰借入分の利払いや保証料が節約できます。

  • 設備計画と資金調達

    医院経営において患者数が増加安定すれば、黒字経営が経常化しますが、患者さんが「引きも切らず」ということであれば、そのマーケットには新たな医院が開業する余地があるという判断になります。
    医師・歯科医師の先生の開業指向は止むことがなく、いつ自院の診療圏内に競合医院が進出してくるかわかりません。
    その時の備えとして、医療機器の更新や、患者さん・職員さんのための院内環境整備について、常に検討する必要があります。
    一方で、患者さんが激減した場合は、増患対策の見直しと当面の運転資金調達を視野にいれた行動が必要になります。
    どちらにしても、「手持ちの現預金で賄うことができるのか」「必要な資金調達額がいくらなのか」を検討するために、資金繰りの把握が必要です。

納税管理ポイント

納税管理ポイント

納税管理には2つの側面があります。ひとつは事前の節税対策により納税額の極小化を図ること。もうひとつは極小化した納税額を期日までに支払う手立てを整えることです。
医科歯科経営の特徴の一つに、保険医療制度を背景とした「経営の安定性と持続性」が上げられます。経営が安定期に入ると毎年の利益も高位安定しますので、年初から計画的な節税対策を行います。
また、納税については、納期や納付方法が定例・定型化しているため、その納期限における支払原資の確保がポイントになります。
一方で、納税自体が定例・定型化している作業であるが故に、納付遅延や脱税行為についてはペナルティーが厳しく定められているため注意が必要です。

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  • 医科歯科における節税対策

    • ● 租税特別措置法第26条の適用「年間の社会保険診療収入が5,000万円以下、総収入金額が7,000万円以下」を条件に「社会保険診療収入にかかる必要経費」について、所定の計算による概算経費金額を用いることが可能。
    • ● 高額医療用機器の特別償却制度(2019年3月 2年延長)一定の医療機器(500万円以上)を取得した場合等に取得価額の12%の特別償却ができる。対象機器の具体的な品目は厚生労働省の告示で定められている。
    • ● 少額減価償却資産の一括費用計上1個当たりの取得価額が30万円未満の固定資産(10万円以上)の少額減価償却資産については、年間の合計金額が300万円まで一括費用化が可能。
  • 医科・歯科診療所(個人事業主)に関係する税項目

    【国 税】
    所得税・源泉所得税・消費税
    【地方税】
    固定資産税・自動車税・個人住民税

    ※法人の場合

    【国 税】
    決算月2ヶ月後に法人税・消費税
    【地方税】
    法人住民税・法人事業税
  • 納税に際しての留意点

    • 法人の確定申告医療法人の決算が会計監査人の監査等の理由で期末2ヶ月以内に確定しない時は、一定の条件のもとに申告期限を3ヶ月以内に延長することが出来る。
    • 法人の中間申告法人税額が前事業年度の半分が10万円以下の場合は、中間申告ができません。
    • 消費税の中間申告前事業消費税額が48万を超えるもの(地方消費税は含まない)課税期間の特例制度を適用している事業者は中間申告をする必要がありません。
    • 相続税の申告納付期限は、相続開始の日の翌日から10ヶ月を経過する日です。
    • 毎月末申告納付酒税・揮発油税・地方道路税・空港機燃料税等
    • 他の税金納税期限を経過後の納税や、過少申告の発覚により課せられる加算金です。以下列記します。
    • 延滞金納期限までに税金を納めないときに徴収されるもので、納期限の翌日から納付の日までの期間に応じて計算されます。
    • 加算金税金について、事実より少なく申告したり、申告をしなかったり、課税を免れようとした場合に徴収されます。
    • 過小申告加算金期限内に申告をした場合で、その申告額が実際より少額であったため、後日増額の申告をした場合または増額の更正を受けた場合に徴収されます。
    • 不納付加算金期限内に申告をしなかった場合に徴収されます。
    • 重加算金故意に税を免れようとした場合に徴収されます。この場合には、過少申告加算金・不申告加算金は徴収されません。
医療法人化

医療法人化

医療法人は、所在する都道府県の認可を受けて設立します。(2つ以上の都道府県において病院等を開設する医療法人については、主たる事業所が所在する都道府県が認可権限を持ちます。)
個人で開業された先生方の多くが、医療法人化を目指しますが、その認可に至る手続が煩雑であり、その申請時期が、年に2回(もしくは3回)しか無いため、顧問会計事務所や専門業者へ依頼をして、法人化を進めることになります。
ここでは、現行法での医療法人の概要と、そのメリット・デメリットについて説明します。

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  • 医療法人(基金拠出型法人)とは

    医療法人はその設立経緯や役割により、複数の類型がありますが、理事長たる先生(基金拠出者)の投下資本の回収を最低限確保でき、医療法人の非営利性の徹底、医療の永続性・継続性の確保を図るため、医療法で正式に法制化したものが、「基金拠出型法人」です。
    平成19年4月以降の新設医療法人(新しく許可される医療法人)はこの基金拠出型法人となります。

    基金拠出型法人の特徴
  • 医療法人化のメリット・デメリット

    当社では医療法人化のご提案にあたり、提案書としてそのメリット・デメリットを医院の実績を鑑みながらご提示しています。
    主要なメリット・デメリットについて以下記載します。

    メリット

    • ● 所得税超過累進課税制度からの回避医療法人の場合は法人税が適用され、法人所得が800万円までは15.0%、800万円を超える部分については23.2%の2段階比例税率で課税されます。個人所得金額が高い場合(4,000万円超で45.0%)には多額の節税が可能となり、医業可処分所得の増加が図られます。
    • ● 理事報酬に対する給与所得控除の適用医療法人化により、院長は理事長報酬を受け取る給与所得者となります。これによって給与所得控除の適用を受け、院長個人の課税所得が減少し、税額が軽減されます。
    • ● 役員退職金・弔慰金の支給が可能個人経営の場合、院長や専従者が退職した場合に支給される退職金は所得税法上、必要経費に算入することが認められません。
      一方、医療法人の理事長や理事が退職する場合、一定の基準により支給された適正額の役員退職金は法人税法上、全額損金に算入できます。しかも、受け取った退職金は、所得税の計算上、退職所得控除が受けられ、極めて有利となります。
    • ● 相続税対策個人で所有している病医院施設や土地を医療法人へ貸し付けた場合の評価については、建物は貸家、土地は貸家建付地等となり、相続財産としての評価を下げる効果があります。

    デメリット

    • ● 配当の禁止医療法人は通常の法人と異なり、医療法により剰余金の配当が禁止されています。当初拠出した基金は出資金とは異なり、10年位を目途に回収することができますが、解散時の残余財産が拠出金を超える場合には、国や地方公共団体等へ帰属する事となります。残余財産の調整・管理が重要になります。
    • ● 交際費の損金算入額に限度規定個人事業の場合、業務に関連する交際費は、所得金額の計算上、全額必要経費に算入できます。しかし、医療法人の場合は、残余財産を含む自己資本相当分が1億円以下の場合に上限800万円、と損金算入額に限度が定められており、自己資本相当分が1億円を超える場合は交際費の損金算入は認められません。
    • ● 無利息貸付に対する利息の認定医療法人が理事長や理事に対して特別な理由もなく金銭を貸し付けた場合、おおむね3~4%の年利率で貸付利息を計上しなければなりません。
    • ● 事業税における免税点がない地方税の扱いですが、個人事業での医院にあっては、自由診療分にかかる診療報酬のうち、290万円までは事業税の免税対象となりますが、法人税法にあっては、免税点がなく、一律に課税対象となります。

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